仲間とともに独自のブランドを確立、
直販や地域交流で新局面を切り拓く養豚経営
有限会社 小林ファーム 三重県亀山市

 

10年以上前から養豚仲間とともに、おいしい豚肉づくりに取り組み、独自ブランド「三重クリーンポーク」を確立している(有)小林ファーム。
2年前からは地域の青年農業士グループとともに豚肉の直接販売を開始、さらに地元小学校でウインナー手づくり教室を開くなど消費者との交流を強めた経営を展開する。

 こうした経営が評価されて平成14年度全国優良畜産経営管理技術発表会(主催=中央畜産会)で中小家畜部門の農林水産大臣賞に輝いた先進事例だ。

現経営主の小林勝彦さんが、米国への養豚留学を経て、父親の養豚経営に就農したのが昭和42年。当時、母豚120頭の規模だったが、順次増頭し
現在220頭。
 平成元年、仲間とともに、モト豚、飼料、飼育方法を統一した独自ブランド「三重クリーンポーク」の生産を始めた。
現在、年間1万5000頭の肉豚を出荷し(うち小林ファーム出荷4800頭)、地元量販店の「スーパーサンシ」を通じて販売している。
            

 飼料は、同グループの3戸を含む10戸により入札方式で共同購入。植物性のものに限定し、すべて加圧・加熱処理された良質の飼料を使用しているのがクリーンポークの“売り”。
 一方、飼養管理面では低い飼育密度に加えて、群単位のオールイン・オールアウト方式を採用、非常に良好な衛生状態を保っていることが同ファームの特徴。 
 

 この結果、繁殖成績は、母豚1頭当たりの年間子豚生産23.5頭、出荷日齢173日、出荷体重116s、という好成績をあげる。「ゆったりとした豚舎で良質のエサを食べてすくすく育った豚は、おいしい」(勝彦さん)。
 豚肉の直売は平成12年11月から。地域の青年農業士との交流の中で「いま生産者の顔が見える販売が求められている」と意気投合したのがきっかけ。

 市内の店舗を月1回借用し、米、茶、野菜、卵などとともに小林ファームの豚肉も販売。評判は上々で、固定客もついてきた。
 こうした活動が隣接する市の商店会にも伝わり、翌13年、空き店への出店要請に応えて2号店を開店している。こちらも月1回の開店。


 これは、現在の群単位のオールイン・オールアウトを豚舎単位にするのが目的。「これにより疾病の感染をより少なくし、衛生管理を充実させられる」。
 一方で、直売の割合を高めていく意向。直販を担当している奥さんの陽子さんの活躍にかかっているが、「いまの2ヵ所の取り組みはテスト的な試み。 
ネット販売にも昨年からチャレンジしているが、地元の消費者にもっとおいしい豚肉を食べてもらいたい」(陽子さん)として、今年中には地元に常設店をオープンさせる予定だ。現在まだ1%に満たない直売の比率を、将来的には10%台に引き上げる計画。
 

 小学生を対象とした手づくりウインナー教室やホームページによる情報発信などにも取り組む小林ファームは、地域・消費者交流を深化させることにより、作るだけの畜産に新しい道を切り拓こうとしているようだ。

 


畜産コンサルタント3月号  2003