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    地鶏ブランド「川俣シャモ」を核とした町おこし

    http://group.lin.gr.jp/grand_prix/con/fukushima/

    福島県

    1 地域の概況

     川俣町は、福島県伊達郡の最南東、阿武隈山地西斜面の丘陵地帯に位置し、平安時代から始まった養蚕業・絹織物業により「絹の里」として知られている。  近年は、絹織物業に替って、自動車部品・電子部品製造などの工場が立地し、産業構造の変化が進んでいる。特産品とし「川俣シャモ」が評判を呼んでおり、PR事業として取り組んだ「世界一長い焼き鳥」の記録争いを和歌山県の日高川町、山口県の長門市、岩手県の「カシオペア連邦」、香川県の高松市等と繰り広げている。

    (平成22年4月1日現在)

    (1)農業・畜産の状況

     農家戸数は減少を続けており、昭和60年に1,809戸だったものが、平成17年は1,314戸となっている。  農業算出額は279千万円、うち畜産は145千万円と約52%を占めており、野菜39千万円、米が38千万円、工芸農作物34千万円となっている。  畜産における農業算出額のうち畜種別構成を示すと、鶏が一番高く52%ついで酪農となっている。

     

    2 地域畜産振興活動の内容

    (1)地域畜産振興につながる活動・取り組みの具体的な内容

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     「川俣シャモ」の生産は、昭和61年に設立された川俣シャモ研究会(現在の川俣シャモ振興会)が開始、昭和62年7月には株式会社川俣町農業振興公社が設立され、現在は平成18年2月に(株)川俣町農業振興公社等が出資し設立された(有)川俣シャモファームが中心となり町内の17戸の農家で生産されている。  (有)川俣シャモファームは採卵・ふ化業務を担い、その後生産農家で肥育される、採卵からふ化・育すう・肥育まで町内一貫生産体制で生産されている。  一つの生産農家が飼養する羽数は500〜1,500羽となっており、複合経営の一部門とし所得向上につながっているほか、町を代表する地鶏ブランドを生産することが、意欲向上につながり地域農業の活性化につながっている。

    【なぜ「シャモ」に着目したか?】

     川俣町は、古くから養蚕が盛んで江戸時代には羽二重の産地として栄えた。シャモは絹商人によって持ち込まれたと伝えられており、機屋の旦那衆がシャモ遊びとして飼っていた名残から、川俣町では古くからシャモが飼われていた。 「地鶏の水炊きが大好物」だった町長がそのシャモに着目、シャモ肉を生産し特産品とすることにより地域農業の活性化を目指すこととなった。

    【「シャモ」を活用した地鶏の開発ち品質向上の取組】

     町長の号令のもと、町役場が中心となり「シャモ」を使った特産品づくりがスタートした。その後、昭和62年に設立された(株)川俣町農業振興公社がその後を引き継ぎ「川俣シャモ」の振興を図っていくこととなる。  昭和62年当初「川俣シャモ」は、シャモにロードアイランドレッドを交配して作出した「シャモロード」による生産を行った。しかしながら、シャモの血が濃い「シャモロード」肉質は焼き鳥等の調理に向かない等の声があり、需要が伸びない時期が続いた。  川俣町農業振興公社では生産農家と話し合いを行い、県養鶏試験場(現在の県農業総合センター畜産研究所養鶏分場)に消費ニーズにあった交配様式の研究開発を要望、雄をレッドコーニッシュとシャモを交配した一代雑種にする、現在の交配様式(ふくしま赤シャモ)が確立された。その結果、川俣シャモは、適度な歯応えとコクがあり、あっさりとした中にもとり肉本来の旨みがある肉質に改善された。

     

    【生産基盤の構築と安全安心な地鶏生産の取組】

     当初、5〜6名の生産農家で出荷羽数約7,000羽でスタート。取り組み当初は飼養管理に不慣れなため、事故も多くなかなか収益を上げられない状況が続き、途中で生産を中止してしまう農家も見られた。  そのため、生産者が集まって勉強会を開いたり、飼養管理技術については県養鶏試験場、衛生・防疫については地元の家畜保健衛生所のバックアップを受け改善を図っていった。 その取組みは「川俣シャモ育成状況管理会」により現在も継続されており年2〜4回各生産農家の巡回指導を行っている。  管理会の構成は、川俣シャモファーム、振興公社、町役場、畜産研究所養鶏分場、家畜保健衛生所で構成されており、巡回は抜き打ちで実施され、鶏舎環境、飼養管理状況等をチェックし必要に応じ是正を行う指導機関の役割を果たしている。  改善を求められた生産農家は、すぐさま改善策を実行、そこには指導する側、される側といった垣根はなく「納得のいく鶏を育てる!」共通認識により、現在の品質を維持しながら更なる質の向上を図っていく体制が根付いている。  鳥インフルエンザが問題となった際には、川俣シャモファームの佐藤社長と振興公社の斎藤専務が宮崎県へ足を運び、給与することで鶏の免疫力を向上させる効果が期待できるEMボカシを現地調査し効果を確かめた後導入する対策を講じた。  品質の良い、安全安心な地鶏生産に尽力する姿勢の証といえるのではないだろうか。  (有)川俣シャモファームの代表取締役であり当初から川俣シャモの生産に取り組む佐藤氏は、苦しい時期を乗り越え川俣シャモの生産を続けた理由について「町の活性化のために特産品を生産するといった使命感と関係各位の支援が支えとなった」と話している。

    【地域内の一貫生産体制の確立】

     PR活動等の積極的な事業展開の結果、需要の高まりにより出荷羽数の増産が期待されたことを受け、町内での一貫生産体制の構築が進められた。  以前は、種卵を養鶏試験場(現農業総合センター畜産研究所養鶏分場)から導入し、民間のふ化場にふ化を依頼していたため、種卵の確保や計画的なふ化の実施が難しく、増産計画が立てにくい状況となっていた。  そこで、平成18年度に(有)川俣シャモファームが事業実施主体となり強い農業づくり交付金事業を活用し国、町の補助を受け「雛生産施設」を建設、川俣町町内で種鶏を飼育して種卵を生産しふ化業務が可能となる体制が整備されたことにより、ふ化羽数及びふ化時期の制約から解放され、出荷羽数の増加が図られるとともに、出荷羽数、出荷時期を弾力的に調整することが可能となり、販売戦略の実効性を高めることも可能となった。  これにより、定時定量の供給が可能となったことで、顧客のニーズに対応することができるようになり取引を伸ばすことができた。

    地鶏ブランド「川俣シャモ」の流通体系  川俣町内で一貫生産された「川俣シャモ」は、全量、(株)川俣町農業振興公社に出荷され一元管理のもと流通・販売されている。

    【販路拡大に向けた取組】

       町の特産品を維持、発展させるために、もっとも重要とされるファクターは販路の拡大であり、販路を拡大するために必要なものは、品質の良い商品である。  当初、販売が伸び悩んだ川俣シャモも、現在の交配様式により肉質が向上した時期を境に販売が伸び始めた。また、この時期が地域特産品や地産地消が社会で注目され始めたのと重なったことも追い風となった。  営業活動は、川俣町農業振興公社が中心となり行い、県内の老舗旅館や首都圏を中心とした飲食店をターゲットとし活動、その販路を拡大していった。その結果、「川俣シャモ」を取り扱うシャモ専門料理店、レストラン、肉卸店、旅館、ホテル、百貨店等は県内をはじめ、首都圏、関西、東北・北海道と全国に拡大し、取引先は約300軒となっている。  また、直営店「銘品館シルクトピア(道の駅川俣内)」を運営、精肉に加え燻製、シャモフランク、フライドシャモ、レトルト食品(地鶏鍋、肉だんご鍋、炊き込みごはんの素、地鶏カレー)等の加工品の販売を行っている。  一方、高級食材である川俣シャモ取り扱いは、旅館、飲食店が中心となり、町を訪れたお客さんがもっと気軽に川俣シャモを味わうことはできないかとの声が上がり、地元ならではのレシピの開発に着手、東京より有名シェフを招き料理講習会を開催、その結果組織されたのが「川俣シャモ料理研究会」で、川俣シャモを使った親子丼や川俣シャモラーメンを開発し、より気軽に川俣シャモを味わえる環境が整った。  販路拡大のためのもう一つのファクターは知名度のアップである。 川俣町役場では、「シャモの町づくり」のキャッチフレーズのもと、「川俣シャモ祭り」の開催公社の取組み等を行い全面的なバックアップ体制をとっている。  特に「川俣シャモ祭り」では焼き鳥長さ世界一に挑戦するイベントを開催、全国的にマスコミ等で大きく取り上げられ知名度のアップにつながった。  また平成20年1月には、ふくしま産品の中から、県の「誇り」ともいうべき選りすぐりの産品を選定・認証し、全国・世界に向けた戦略的な売り込みを行う認証制度により県内地鶏のトップをきり福島県ブランド認証産品とし認証された。

    【一元管理される川俣シャモ】

     生産された川俣シャモは、川俣町農業振興公社に全量出荷される。これにより生産履歴の把握ができ、商品に対するクレームに対しても迅速な対応が可能となっている。  このことが、取引先の信頼を得ているポイントの一つになっている。

    (2)当該事例の活動目的と背景

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     (株)川俣町農業振興公社は、農畜産物の加工・製造により付加価値の高い商品の製造・販売の事業を行い地域農業の活性化を図っていくことを目的とし、昭和62年に第3セクターとして設立された。

     【経営理念】

      技簔は特産品の開発と販売を通して地域社会に貢献します。

      胸業の推進においては常に地域振興に結びつくよう努力します。

     【業務内容】

      祇酲鵐轡礇發鮖呂瓩箸垢訥特産品の加工販売、新商品の開発

      尭擦留慇酲麁癲嵬檀粉曠轡襯ピア」の運営

      慶ふるさと産品の取り扱い

     背景

      川俣町は古くから養蚕が盛んで、江戸時代には羽二重の産地として栄えた。   地域農業の基幹作物は、米、葉タバコ、養蚕であったが、生産調整・価格低迷等により所得が減少し、農家の生産意欲がなくなりつつあった。   そのような中、地域農業の再生を図るため、農畜産物の加工・製造により付加価値の高い商品の製造・販売の事業を行い地域農業の活性化を図っていくことが検討された。

      【特産品の開発】

    地域素材を活用した特産品の開発に際し、まず着目されたのが、川俣地域で古くから飼育されていたシャモであった。当時の川俣町町長は「地鶏の水炊きが大好物」であったことに加え、日頃より町をおとづれた方へのおもてなし料理として出せる特産品づくりにシャモを活用したいと考えており、昭和58年に町役場が中心となり試験飼育がスタートした。昭和62年に農業振興公社を設立し本格的に生産・販売が始まった。川俣シャモの品種改良の経過については、前段に記述したとおりであるが、現在の交配様式が確立されるまでには、県養鶏試験場等の支援を受けながら10年の歳月を要した。

     【町を代表する特産品となる】

       現在、川俣町は「シャモの町づくり」のキャッチフレーズのもと町おこしに取り組んでいる。また、川俣町町内には、川俣シ  ャモのノボリが並び、川俣シャモラーメン、親子丼を出す店の看板が目立つ。絹と並び川俣町を代表する特産品となっている。

    (3)活動の成果

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       現在「川俣シャモ」の生産に取り組んでいる生産農家は17戸となっている、一つの生産農家の飼養羽数は500〜1,50  0羽となっており、経営形態は水稲や養蚕、葉タバコ等との複合経営となっている。各農家所得のうち畜産部門が占める割合は  まちまちであるが、水稲や養蚕、葉タバコ等が生産調整等により所得が低下する状況の中で所得を確保する収入源となってい る。   生産農家の中には高齢者も多く、川俣シャモを飼育することが生きがいの一つとなっている。また、新規の生産希望者に対しては、現地指導、研修会を開催し後継者育成も行っている。

      町の知名度・好感度のアップ・町の活性化

       町の特産品「川俣シャモ」の認知度、知名度がアップすることに比例し、出荷羽数も年々増加したことが、川俣町の知名度・  好感度に繋がっている。毎年開催される「川俣シャモまつり」は、多くの観光客が町に集め誘客効果が高いイベントとなってお  り町の活性化に役立っている。川俣町農業振興公社では、24名の従業員が働いる、また、地鶏生産により新たな産業が生まれ  たことによる二次的な雇用等、地域の雇用創出に貢献している。   町の特産品の「川俣シャモ」が核となり、郷土に対する町民の誇りの向上と町出身者に希望と勇気を与えている。

    (4)地域振興図

    (5)今後の課題

    々垢覆訐源佐霹廚龍化    現在の生産体制により、年間8万羽の生産が可能となっているが、長期的な目標となる10万羽の生産体制のためには、更なる施設の整備が必要となる。

    地域産飼料米・飼料原料の研究

     地域内での一貫生産体制が確立された「川俣シャモ」ですが、今後は、地元産飼料米・飼料原料の活用が目標となっている。  しかしながら、飼料米等の活用にあったては、飼料米の作付面積の確保、飼料コストをどう抑えるか、現在の飼料のトウモロコシを飼料米に置き換えた場合、鶏肉の品質としては同じレベルのものが生産できることは試験の結果明らかとなったが、そのコストを製品にどう付加していくかが課題となっている。

    H力の拡大

     地道な営業活動と適度な歯ごたえとコク、あっさりとした中にも鶏肉本来のジュシーな旨みが評判となり販路の拡大してきた川俣シャモであるが。 今後も地鶏としてのブランドを維持・向上させていくには販路の拡大が不可欠である。   しかしながら、高品質な食材として、一流シェフからも高い評価を得られている一方、品質にこだわった生産体制により、その市価は一般の鶏肉と比較した場合、約5倍程度で流通されている。そのため取引先については、レストラン、旅館等の飲食業の取引先が中心となっている。   「高い品質」=「高級な食材」であるが故に、昨今の景気の低迷の影響が大きくその中でどのように、販路を拡大していくかが今後の課題となっている。

    3 当該事例の活動・成果の普及推進のポイント

    (1) 活動の軌道にのるまでの留意点

        地域で特産品を生産、販売し推進を図っていく上での留意点は以下のものがあげられる。        \源妻の品質

      品質の良い生産物は、特産品づくりの上で必要不可欠なものであり、その開発は、地元の研究機関等と連携を図り実施することが重要となる。一定の品質のものを安定供給ことも大切になる。

       ∪源佐霹廚琉飮

      特産品の生産をする農家に対して、取り組んだことによるメリットをどう還元するかが問題となる。安易に生産に取り組んだ生産者は、なかなか利益につながらない場合や生産の手間がかかる場合に生産を中止したり、必要な管理を怠り品質の悪い生産物を出荷する場合が多い。これにより、生産物の安定供給が困難になってしまったり、特産物の評判を落とす要因となってしまう。生産基盤の維持のためには、特産品づくりに情熱をもった生産者の協力が大切になる。

       H力の拡大

      特産品がなくなるか、維持できるかどうかのカギは生産物をさばき切る販路を持てるかどうかにかかっている。当然品質の良い生産物(畜産物あれば、味がよく、安全・安心なもの)が必要となるが、取り扱うものが食品である以上、まず、口にしてもらい味わってもらうことがスタートとなる。そのためには、営業をかける最初のターゲットをどこにするか、認知度・知名度をどのように高めていくかが大切になる。

       ご愀元ヾ悗離丱奪アップ

      生産、販売が軌道にのり活動が定着化するまでには、5年〜10年の期間は必要になる、それまで組織を維持するには、経営面や技術面で地元の役場等の行政機関の支援が必要となる

    (2)実施体制図

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